WORKS
Novol @ 新潟市古町6番町
新潟市の古町エリアは、古くからの歴史もあり、新潟市の経済の中心として栄えていました。第2次世界大戦後、進駐軍の駐留やアメリカ文化センターの存在もあり、繁華街であった古町ではJazzの演奏会が頻繁に行われていました。これらが古町のJazzの基盤となり、1960年代アメリカ文化の積極的な取入れ時期には、多くのお店からJazzが流れてくるような場所になりました。そして、今もJazz Festivalが開催されるなど、古町にはJazzを愛する人が古き良き時代の新潟に想いを馳せる場所でもあります。
そして、Jazzと新潟市を象徴するのが、ジャズアーティストのデューク・エリントンです。1964年の新潟地震により新潟市は壊滅的な被害を受けました。これらの惨状を救い、復興に欠かせない一つの力に、ジャズアーティストのデューク・エリントンによる大きな善意の力があります。それは、当時来日していたデューク・エリントンが、新潟市の惨状を聞き、ハワイ公演をキャンセルしてまで、東京にて新潟地震救済資金募集の特別コンサートを行い、収益金をすべて新潟市に贈りました。後にこれらが切掛けで、新潟市より国際親善名誉市民の称号を受けました。
この作品は、ピアノ奏者でもあり、オーケストラリーダーであるデューク・エリントンが、新潟の街とビックバンド(新潟のJazz)を見守り、ピアノの鍵盤が街とJazzを繋ぐイメージです。背景の新潟の街並みには、象徴的な萬代橋が入り、その奥に新潟地震後の復興の為にデューク・エリントンによる寄付金で購入された木材が使われたと言われている新潟西港が続いています。
この作品を通じ、デューク・エリントンの功績や善意、新潟のJazzの魅力を込めると同時に、現在のコロナ禍と過去の新潟地震を重ね、人の善意や他者への思いやりをメッセージに込めました。
- クライアント: STYLE DRIVE Co., Ltd.
- ブースター: 水と土の文化創造都市 市民プロジェクト2020助成
- アーティスト: Novol
- 完成日: 2020.10.18
- サイズ: 17m x 3m (669in x 118in)
photo: shozzy
ARTIST:Novol CLIENT:STYLE DRIVE Co., Ltd. LOCATION:新潟市古町6番町